耳すま日記

NPO法人耳をすませばのブログです

名前への希望

法人名「耳をすませば」の由来を聞かれることがあります。ジブリの「耳をすませば」からですかといわれることが一番多いのですが、半分当たりで、半分外れです。ジブリは当たりで、「耳をすませば」ではなく「千と千尋の神隠し」が正解です。

 「耳をすませば」が運営している「夕陽ケ丘オレンジスタジオ」は子育て支援を中心に活動している共生型施設です。設立準備当初、わかりやすく、子育てに関連して、法人の理念である「ソーシャルインクルージョン」を伝える言葉はないかと法人名を考えていました。

 

 私はジブリのアニメでは「千と千尋の神隠し」が一番好きです。

さまざまな経験を通して、子どもから大人に成長していく千尋の姿とそれを取り巻く登場人物(?)たちのキャラクターとの関わりが人生を体現しているように思っています。

一番好きなシーンは千尋が泣きながら

おにぎりを食べるところで、

「どんなに悲しいことがあってもおなかはすく」

という人間の性(さが)を感じます。

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同時代を生きる人々をやさしく包み込む「ソーシャルインクルージョン」の実現には、声にならない声を聴く、感じ取る姿勢が欠かせません。「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも(作詞:覚和歌子)」の一節に「ゼロになるからだが耳をすませる」という部分があります。

「人の生き死に」の不思議に思いを巡らせるとき、「耳をすまして生きる」意味の重要性と「自分のまわりの当たり前」が奇跡であることを気づかせてくれます。

子どもたちに「いつも何度でも夢を描き続けることができる環境」を用意しておくことが大人の役割であると考え、法人「耳をすませば」が誕生しました。

 

 今年で法人設立6年目になります。いままでこのような由来の話を詳しくしたことはありませんでしたが、ファミリー・サポート・センター事業の「ママCafe」の中で、さまざまな本を通して子育てに役立つ豆知識を伝えることになり、20年後、30年後に成人として日本の社会を支えていく子どもたちを育てるお母さんたちと語り合う時間を持つことになり、さまざまな本のテーマに関連付けて法人の理念を伝えていくことにしました。

 この活動の結果が出るのは遠い未来で、わたしがそれを見ることはできないかもしれませんが、希望を託すことでいつか法人の理念が実現することを願っています。