耳すま日記

NPO法人耳をすませばのブログです

次の時代をつくるのは「亀」か「年」か

      

    f:id:mimisuma-kitami:20190426125905j:plain

年号が変わると、新しい時代が始まる、何かが変わるという感覚になります。人は本来、変わらないことを望むもので、変化を求めるときも、自分に都合の良い変化を望みます。しかし当たり前といえば当たり前ですが、全員に都合の良い変化などあろうはずがありません。

 

統一地方選挙も終わり、各地で新しい体制で新しい政治が始まります。次の時代をより良くする公約を実現するための努力が始まります。人口減少、高齢化、財政赤字どれをとっても即効性のある解決策がない課題ばかりです。状況はさらに一段と厳しくなるばかりでしょう。これまでは利益の分配を上手にすることが求められました。少しでも自分のところに多くと、さまざま団体が活動し、既得権を作り上げてきました。100兆円を超える国家予算の中で、まだまだ同じような動きが続いていますが、限界も見えてきています。

 

次の時代に合ったシステムづくりが各地で試行錯誤しながら始まっています。その一つが小規模多機能自治と呼ばれるものです。私の住む北見市も今年、小規模多機能自治ネットワークに加盟し、住民協働組織形成を推進し高齢社会に備えようとしています。これまでもNPO活動として組織づくりに関わってきましたが、既存団体、既得権、将来予測の知識不足(告知不足)などさまざまな要素が絡み合い苦戦してきました。それを従来のやり方だけでほぐしていくのは実に大変な作業です。

 

 北見市にある道立北見北斗高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、高校生たちが研究テーマを決め、グループで活動し発表する授業を行っています。今年度、地理情報システム(GIS)を活用した授業が始まります。地図上でさまざまな情報を「見える化」するものです。

今年度研究テーマのひとつに、人口減少、高齢化に伴うさまざまな地域課題を見える化し、その解決策を高校生と町内会、住民協働組織が一緒になって考える内容を予定しています。これから50年先まで未来を担う高校生たちがしっかり現状と近未来の問題を把握し、住民と一緒に解決策を考え提言をおこない、住民や行政がそれを施策化実践していくことで、遠い未来に向かっていこうというものです。 

 

「令和」はリスクを上手に分配することが求められる時代です。普通に考えればちょっと重い気分になる時代です。それを楽しく、面白く実践していくためには、最新ITを使いこなす若い世代と高齢者が一体となったスタイル(亀の甲×年の劫)が有効だと考えています。孫たちの将来のために、一肌も二肌も脱いでくれる人たちが大勢現れて、腕まくり、ねじり鉢巻き姿で「まかせなさい」と盛り上がる姿を思い浮かべ、高校生と一緒に開始する活動を楽しみにしています。

 

追伸:つたないブログにもかかわらず、多くの方々に見ていただき、そのうえシェアまでしていただきありがとうございます。これからも折々の話題を月に2回程度投稿していきます。新しい時代も「NPO法人耳をすませば」と「耳すま日記」をよろしくお願いいたします。

              (NPO法人耳をすませば 代表理事 谷井貞夫)